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しまねこはお好き?

最近あまり編めてない・・・・さぼりニッターの日記です。

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2012.04.01(Sun) 19:10
たなにあった目ざまし時計が床に落ちてこわれた。

ずいぶん昔に買った時計で、目ざましとしてはもう使っていなかった。
だから、こわれてもべつに困らないや、と思っていた。

ところが、時間を知りたくなると無意識のうちに、時計のあった場所に目をむけてしまう。
反射的に、目でその時計をさがしてしまう。
失くしてはじめて、どれだけその時計に頼って生活していたかわかった。

ちいさな時計ひとつでも、その喪失を受けいれるまでには時間がかかる。

ましてや相手が生き物なら──
ましてや相手が、「本家しまねこ様」ことミュウだったら、その喪失を受けいれるには、もっと長い時間がかかる。


昨年の11月、ミュウは、20歳でその生涯をとじた。腎不全だった。
さいごは苦しむこともなく、眠るように旅立っていった。

でもいまだに、ミュウが亡くなったと本当には信じられない。
呼べば、ひょっこりカーテンのかげから現れるような気がしている。
押入れのどこかにかくれているだけで、お腹が空けばにゃあにゃあ鳴きながら出てくるような気がしている。



ミュウは、21年前のちょうどいま頃、山に、兄弟猫と一緒に捨てられていたところを拾われた。

当時、うちにはリリーという名前の3歳のメスの犬がいて、居間のとなりのテラスで暮らしていた。
夜、人間たちの夕飯がすむと、リリーは家の中にいれてもらえた。
居間のヒーターのまえが彼女の特等席で、専用のタオルを敷いてもらったそこにゴロリと寝転がってみんなになでてもらうのが、リリーのしあわせな1日のおわりの儀式だった。

そこへある日とつぜん、新入りがやってきた。
青い目をした、しましまの生き物がやってきて、わがもの顔で家族と暮らしはじめた。
リリーにとっては、晴天のへきれきだったかもしれない。

(あいつ、いったい何者?)



058.jpg


リリーにとって一番がまんできなかったのは、この「しましま」が、彼女の特等席で勝手にくつろぐことだった。

(そこはあたしの場所なんだから、どきなさいっ!!)

リリーはしましまにむかって吠えた。
ところがいくら吠えたてても、しましまは、まるい目をぱちくりさせてこちらを見るだけで、ちっとも話が通じない。

(おのれ、しましま)
(さっさとそこをどきなさい)
(そこはあたしの場所だし、それはあたしのタオルだし、どれもみんな、お母さんがあたしのためだけに用意してくれたものなんだかんね!!)


リリーはわんわん吠えながら、新入りを追いかけまわした。

ところがこの新入り、やたらとすばしっこくて、つかまらない。

やっと追いつめたと思うと、椅子のうえに飛びあがり、椅子からテーブル、テーブルから食器戸棚のてっぺんへと忍者みたいに飛びうつってしまう。
そして棚のてっぺんから「ばーか、ばーか」ってかんじでこちらを見下ろしてるんだった。

(お~の~れ~、しましまぁ~~っ!!)


頭にきたリリーは夢中になって吠えたてていたけど、そうすると「そんなに騒ぐ人は帰りなさい」って叱られて、リリーだけがテラスに出されてしまうんだった。




064.jpg





テラスに出されても、リリーの気はおさまらない。

おのれ、しましま。
覚えてなさいよ。

暗いテラスを右に左に走りまわりながらブツブツ言っていると、ふと、頭上に気配を感じて顔をあげた。
すると目の前のガラスに、宿敵しましまのシルエットがくっきりと浮かびあがっている。

しましまは、ガラスごしにユラユラしっぽを揺らしながら、シルエットでもって語りかける。
「わたくしはおうちの中にいるけれど、あなたはお外?お気の毒にね。おほほほほ♪」


リリーはふたたび頭に血が上って、シルエットの映しだされたガラス戸に、猛烈ないきおいでアタックを開始するんだった。



062.jpg



ミュウは女王様だった。
気がつよくて、プライドが高くて、身体能力もばつぐんで。

リリーは箱入り娘だった。
仔犬のとき散歩中によその犬におそわれ、おしりを噛まれた。
以来、リリーは外の世界にたいして臆病になってしまい、そんなリリーには家族も過保護気味だった。


女王様と箱入り娘の折り合いはなかなかつかず、顔をあわせれば追いかけっこをはじめる日々がつづいた。
追いかけっこは、どちらかが息切れしてへばるまでつづいた。

先にへばるのは、たいがいリリーだった。
ハアハア言いながら舌をだしてその場に座りこみ、それからゴロリと寝ころがる。

それを見たミュウが「え、もうおわり?」って顔で立ちつくし、「ま、いいけど」ってかんじで自分もそのへんに寝ころがる。

2匹は、部屋のすみとすみにそっぽをむいた格好で寝ころがって、しばしの休戦状態に入っていたよ。




でもやがて、そんな関係にも変化がおとずれた。

そっぽをむいて寝ころがる2匹の距離が、ほんのすこし、縮まっていたんだ。


最初のころは、ゆうに3、4メートル離れていた2匹の距離が、いつのまにか2メートル・・・・1メートル・・・と縮まっていった。
ミュウがそばにいるとどうにも落ち着かなかったリリーが、いつしかミュウのそばでうたた寝するようになった。
ほんのちょっとなら、自分の特等席をミュウにもゆずってあげるようになった。



051.jpg




2匹の距離は、さいごは10センチのところまで縮まった。
いつか2匹が仲良く寄りそって眠る日もくるかもしれないと家族は期待した。

でも、そのまえに時がきてしまった。
年老いたリリーが、病にたおれた。



050.jpg



病魔の進行はくいとめられず、リリーは日に日に衰弱していった。
いよいよ足取りもおぼつかなくなったとき、家族で話しあって、リリーを家に入れることにした。
最期のときを、家のなかで、家族とむかえさせてあげたかった。

そのころには、リリーはもう見る影もなくやせてしまい、頭皮のしたに頭がい骨のかたちが浮きでて見えるほどだった。
それからリリーは歩けなくなり、立てなくなり、やがて自力で上体をおこすことも、寝返りをうつこともできなくなった。
さいごは水を飲む力もなくなってしまった。


リリーを家にいれようと決めたとき、正直、ミュウのことを心配してた。
いつもみたいにリリーをからかったり、ちょっかいを出したりして、リリーの体にさわるようなことがあればどうしようと思って。

でも、そうはならなかった。

ミュウにはみんなわかっていたみたい。


台所にこしらえたベッドにリリーがふせっているあいだ、ミュウはリリーにちょっかいなんて出さなかったばかりか、まるでリリーを見守るみたいに、ずっとそばに付き添って眠っていたんだ。
リリーの姿が一望できる食器戸棚のてっぺんにまるくなって、そこから動こうとしなかった。

毎晩、母のふとんにもぐりこんで寝るのが習慣だったのに、リリーが亡くなるその日まで、ミュウはずっとリリーと一緒にさむい台所で眠っていたそうだ。


ミュウは、やさしい猫だった。






056.jpg







リリーはいま、裏の柿の木のしたに眠っている。
墓標がわりに、水仙をうえた。

そこは、とくべつ日当たりのいい場所でもなんでもないのに、春になるとなぜか、リリーの水仙がまっさきに咲く。
ほかの水仙がまだかたいつぼみのうちから、リリーの水仙だけがぴかぴかに咲いている。

そしていまは、おなじ柿の木のしたにミュウも眠っている。



リリーと一緒なら、ミュウもさびしくないよね。
きっと天国でたのしくやっているだろう。

 

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Category:日記 
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ご無沙汰しています
お元気ですか?
素敵なお話をありがとうございます 涙が流れました
生き物を飼うと別れは必ずやってきます 信じられないくらい悲しいです それでもまた出会いがあって飼い始める 大切にしたいですね

本当にここで気持ちがほんわりします 無理なくupして下さいo(^-^)o

NAME:そら | 2012.04.06(金) 22:08 | URL | [Edit]

 

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たなにあった目ざまし時計が床に落ちてこわれた。ずいぶん昔に買った時計で、目ざましとしてはもう使って
まっとめBLOG速報【2012/11/27 19:41】

 

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