2008.10.31(Fri)
09:35
先日、閉店が迫り閑散としたデパートの店内をウロついていた私は、ふと、なんとはなしにおもちゃ売り場の方へと足を向けた。
甥っ子の誕生日が近かったから、何か目ぼしい物でもないかと思って、誘蛾灯に引き寄せられる蛾のごとく、ふわりふわりといつもは無縁なその売り場へと引き寄せられて行ったんだ。
(編み始めのブツの陰から、「ふふふふふ・・・」)
売り場の前のワゴンには、「全品半額!!」の赤文字と共にたくさんのベビー用おもちゃが投げ売りされていた。
「もうベビー♪って歳でもないんだけどな~・・・」と思いつつワゴンの前に立った私は、そこで1体の恐るべきキューピーと出会い、目が合った。
(「きゃはっ♪」)
そのキューピーは、これまで手芸店で出会って来たどのキューピーとも違っていた。
そのガタイのデカかさもさることながら、あらゆる面において手芸店出身のキューピーより濃かった。
ぱっちりした目元に愛らしい真っ赤な口元、かわいらしさの王道を行く「うつむき加減で上目遣い」の必殺アングル、両手はペンギンさんみたいに「えいっ」っといじらしく広げられていて、なおかつ国民的アイドル「ドラえもん」と同じ2頭身。
もう、「この子がかわいくなくて一体他の誰がかわいいって言うんだっ!!」と意味も無く逆切れしそうになる程に、そのキューピーはかわいいんであった。
いや、かわいいはずであった。
かわいくてしかるべし・・・・であった。
(「てへっ♪」)
・・・・・・けれども正直なところ、その絶対かわいいはずのキューピーを前に、たじろいでいる私がいたよね。
手芸店で会う100円前後のあっさりキューピーに慣れていたせいかな、ワゴンで出会ったそのキューピーは、かわい過ぎて逆にグロいような気がした。
私は勇気を振り絞っておそるおそるその子を取り上げてみた。するとその子はいきなり「ピーーッッ!!」ってすっとんきょうな高音を上げて自己主張したんだった。
・・・・私は戦慄して、その場に立ち尽くしたよね。
(「うふふ。そうなの、あたし鳴るの」)
それは運命の出会いと言うよりかはむしろ、なんだか目に見えない力にそのキューピーを押し付けられているかのような、そんな妙な圧迫感すら覚えた。
手の中のキューピーは目をギラギラさせながら私を見上げていたよ。
「どうする?あたしのこと、連れて帰る?今なら安いけど、どうする?」と。
私は試しにもう1回彼女のお腹を押してみた。
すると再び「ピーーッッ!!」ってもの凄い音が売り場に響き渡った。
私は諦めてその子を手にレジに向かったよね。
(↑新たに編み始めたブツの正体。ケープだす)
その晩、私はおそるおそる新キューピーと窓辺のアラひゃー・キューピー(←アラウンド100円、の意)達とを対面させた。
(巨大な新入りにざわめくアラひゃー・キューピー達)
いろんな面において濃そうな彼女が果たしてみんなと仲良く出来るのか、私は心配しながらも静観することにした。
新キューピーは夜中目が合うと、かわい過ぎてマジ怖かった。
翌朝、それとなく窓辺に目をやると、新キューピーがガタイのデカさに物言わせて、早速アラひゃー・キューピー達に先輩風を吹かせている光景と出くわした。
「あんた達みたいなひよっこにはわからないだろうけど、あたしもこれまで色々あったのよ」
「思い出すわぁ。同じベビー・トイ・コーナーの生意気な起き上がりこぼしとタイマン張った日のこと・・・・」
「あの女、張り倒しても張り倒しても起き上がって来て、そりゃあ根性見せたもんよ。最後はマブダチになったけどね」
「今日もいい天気♪」「お昼何食べようかしら」「おいら、ボブと遊ぶんだ」「あはは、あはあは☆」
「・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
(怒られました・・・・・)
「ふふふふふ・・・・・」
大変な子を連れて来てしまいました(汗)。
読んで下さってありがとうございます(^^;
最近やっと目が慣れてきて、新キューピーを素直にかわいいと思えるように・・・・なった・・・・・気がします。
甥っ子の誕生日が近かったから、何か目ぼしい物でもないかと思って、誘蛾灯に引き寄せられる蛾のごとく、ふわりふわりといつもは無縁なその売り場へと引き寄せられて行ったんだ。
(編み始めのブツの陰から、「ふふふふふ・・・」)
売り場の前のワゴンには、「全品半額!!」の赤文字と共にたくさんのベビー用おもちゃが投げ売りされていた。
「もうベビー♪って歳でもないんだけどな~・・・」と思いつつワゴンの前に立った私は、そこで1体の恐るべきキューピーと出会い、目が合った。
(「きゃはっ♪」)
そのキューピーは、これまで手芸店で出会って来たどのキューピーとも違っていた。
そのガタイのデカかさもさることながら、あらゆる面において手芸店出身のキューピーより濃かった。
ぱっちりした目元に愛らしい真っ赤な口元、かわいらしさの王道を行く「うつむき加減で上目遣い」の必殺アングル、両手はペンギンさんみたいに「えいっ」っといじらしく広げられていて、なおかつ国民的アイドル「ドラえもん」と同じ2頭身。
もう、「この子がかわいくなくて一体他の誰がかわいいって言うんだっ!!」と意味も無く逆切れしそうになる程に、そのキューピーはかわいいんであった。
いや、かわいいはずであった。
かわいくてしかるべし・・・・であった。
(「てへっ♪」)
・・・・・・けれども正直なところ、その絶対かわいいはずのキューピーを前に、たじろいでいる私がいたよね。
手芸店で会う100円前後のあっさりキューピーに慣れていたせいかな、ワゴンで出会ったそのキューピーは、かわい過ぎて逆にグロいような気がした。
私は勇気を振り絞っておそるおそるその子を取り上げてみた。するとその子はいきなり「ピーーッッ!!」ってすっとんきょうな高音を上げて自己主張したんだった。
・・・・私は戦慄して、その場に立ち尽くしたよね。
(「うふふ。そうなの、あたし鳴るの」)
それは運命の出会いと言うよりかはむしろ、なんだか目に見えない力にそのキューピーを押し付けられているかのような、そんな妙な圧迫感すら覚えた。
手の中のキューピーは目をギラギラさせながら私を見上げていたよ。
「どうする?あたしのこと、連れて帰る?今なら安いけど、どうする?」と。
私は試しにもう1回彼女のお腹を押してみた。
すると再び「ピーーッッ!!」ってもの凄い音が売り場に響き渡った。
私は諦めてその子を手にレジに向かったよね。
(↑新たに編み始めたブツの正体。ケープだす)
その晩、私はおそるおそる新キューピーと窓辺のアラひゃー・キューピー(←アラウンド100円、の意)達とを対面させた。
(巨大な新入りにざわめくアラひゃー・キューピー達)
いろんな面において濃そうな彼女が果たしてみんなと仲良く出来るのか、私は心配しながらも静観することにした。
新キューピーは夜中目が合うと、かわい過ぎてマジ怖かった。
翌朝、それとなく窓辺に目をやると、新キューピーがガタイのデカさに物言わせて、早速アラひゃー・キューピー達に先輩風を吹かせている光景と出くわした。
「あんた達みたいなひよっこにはわからないだろうけど、あたしもこれまで色々あったのよ」
「思い出すわぁ。同じベビー・トイ・コーナーの生意気な起き上がりこぼしとタイマン張った日のこと・・・・」
「あの女、張り倒しても張り倒しても起き上がって来て、そりゃあ根性見せたもんよ。最後はマブダチになったけどね」
「今日もいい天気♪」「お昼何食べようかしら」「おいら、ボブと遊ぶんだ」「あはは、あはあは☆」
「・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
(怒られました・・・・・)
「ふふふふふ・・・・・」
大変な子を連れて来てしまいました(汗)。
読んで下さってありがとうございます(^^;
最近やっと目が慣れてきて、新キューピーを素直にかわいいと思えるように・・・・なった・・・・・気がします。