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しまねこはお好き?

最近あまり編めてない・・・・さぼりニッターの日記です。

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2013.02.13(Wed) 15:02

たいくつだニャ・・・
「くーちゃんの出番はなしですか。そーですか」

 
 丸太みたいに肥えたキジトラの猫が、ブロック塀のうえで日なたぼっこをしていた。この辺でときたま見かけるキジトラ閣下だ。相棒のシャムもどきとよくつるんで行動しているけれど、その日、シャムもどきの姿は見当たらなかった。

 近づいていくと、キジトラ閣下はめんどくさそうに目をあけてこちらを見た。

 ミュウたんもキジトラだったけど、目のまえのキジトラ閣下のしま模様は、ミュウたんのそれと比べてゆるい、というか、淡い。なんとなく、パステル調。
 キジトラ閣下あらためパステルは、「こいつ、いつまで見てる気だよ」というようにむっつりこちらを睨んだ。

 
 ごめんよ、パステル。昼寝の邪魔して。もう消えるからさ。心ゆくまでお日さまとブロック塀を堪能してくれたまへ。

 そう足早に立ち去ろうとした瞬間、ふいに、パステルの顔のしまが目にとびこんできた。

 パステルのほっぺには、数本の淡い横じまが走っている。一方、おでこには、うっすらとたてじまが走っている。
 ひとつの顔のなかで入り乱れる、たてじまと横じま。まるでわたしのパジャマのよう・・・(まだ完成してないけど)


 その夜になっても、パステルの顔のしまがやけに気になっていた。もっというと、とらねこの顔のしま問題が気になっていた。
 とらねこの顔のしまって、どうなってるんだっけ?
 たてじまと横じま、両方はいってるパステルは特殊なの?

 
 ミュウたんの写真を確認すると、おでこにたてじま、左のほっぺに横じまがある。パソコンをひらいて、とらねこの画像を検索してみた。するとそれぞれ、しまの現れ方に個体差はあるものの、おでこにたてじま、ほっぺには横じま、のフォーマットでだいたい統一されていた。
 
 ここまでくると、本家トラさまはどうなっているのか気になる。とらねこと同じフォーマットを採用しているのか、それともたてじまか横じま、どちらか1本にしぼっているのか。

 さっそく検索してみた。
 
 結果は・・・たてじまでも、横じまでもなかった。トラさまのお顔は、木の年輪のようなわっかじま(?)でいろどられており、それが顔のまわりをぐるりと1周して破たんなくつながるよう、完璧にデザインされてあったのだ。

 さすが、トラさま。しまに関して、ぬかりなし。


 こうして見比べてみると、とらねこ業界が顔のしまに関してけっこうアバウトであることがわかる。本気でしまをつなげよう、どこもかしこも破たんなくつなげてみせようという気概が感じられない。

 最初は、とらねこたちも努力したのかもしれない。トラさまのような完成度の高いわっかじまを目指し、日の出とともに、黒の油性マジックペン片手にわっかじま描きに精をだす・・・そんな頃もあったのかもしれない。
 が、根っから不器用なのと力みすぎる癖があるのとで、ペンを持つ手がプルプルふるえ、どうしたってトラさまのような美しいしまを描くことができなかった。

 それで彼らもやけになり、「ま、ペーペーのわしらがそこまでせんでも・・・」「そーそー、だれも顔まで見てませんてw」などとうそぶいて、それきり努力を放棄してしまったのかもしれない。


 パソコンをとじて洋裁部屋にむかい、裁断済みのニットを手にとって考えた。

 わたしは、トラになろうとしていなかったか。

 初心者ながら、身のほどもわきまえず、最初っからしまの王者、トラになろうとしていた。3色の横じまをつなげることに夢中になるあまり、横じまのどんな破たんも許せなくなっていた。
 でもね。わたしは、トラじゃない。
 なろうとがんばっても、トラにはなれない。
 それでいい。わたしは、とらねこでいい。 

 たてじまと横じま、両方引きうけて生きていこう。実際は、ここにななめじまも加わってくるわけだが、それすら全身で受けとめて生きていこう。


 それに、考えようによっては、様々なしまがここまでそろうなんて、ある意味、しまのオールスターズと言えなくもない。
 たてよこななめ、いろんなしまが、わたしのパジャマで夢の共演。
 美的価値さえわきに置いて考えれば、しまのオールスターズ・パジャマを着られるなんて、光栄なこと。

 さあ、元気をだしてミシンに向かおうっ!!!



 ・・・・・と、まあ、だいたいこんな流れで完成したのが、いま、えりぐりがびろんびろんに伸びているニットパジャマなのだ。

 あの日、道端で、パステルと出会うことがなければ、パジャマは完成していなかったかったかもしれない。
 ありがとうね、パステル。きみのおかげで、わたしのオールスターズ・パジャマは完成したよ。


 そしてね、パステル。

 こんどから、パジャマは買おうと思うよ。

  
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2013.02.13(Wed) 14:00

 その晩おちこんで、母に事のてんまつをはなした。するとケロリと母が言った。

「いいじゃない、べつに」
「なにがっ?!」
「そのまま作ったらいいじゃない。え、なにか困る?」

「横じまとたてじまと、ななめだよ?模様がそんな勢ぞろいしたパジャマ着てる人、見たことある?」
「いやあ、そこまで人のパジャマ見てないからわからないけど、でも、わたしなら気にしない」
「横じまと、たてじまと、ななめだよ?!ヨコタテななめが全身にそろってるんだよ?」

「私は気にならない。いいじゃない、作るだけ作ってみれば」
「いや、わたしの心は折れました」
「じゃあどうするの、それ。なげるの?(捨てる、の意)」
「・・・・・・」


「最初っから完璧にできる人なんかいないって。失敗しても、それがのちのち糧になるの。失敗が、経験なの。だいじな経験」
「うーん・・・」
「とりあえず、上か下、どっちかひとつでも作ってみたら?」
「・・・そうだね、せっかく買ったんだし・・・裁断もしたし」

「そうよ。もったいないよ。失敗したって気にしないで、どんどん着ればいい。だれも見てないんだから


無題
「・・・・・・」



 とりあえず、作るだけ作ってみようと心にきめた。でも・・・足りないぶんの布を買いに走る気力がわかない。たてよこななめに模様が入り乱れる「乱痴気パジャマ」をつくるために、財布をあける気になれない。

 このまま裁縫そのものから遠ざかってしまいそう・・・・

 そんなある日、近所の小道で、1匹のとらねこに会った。

  

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2013.02.13(Wed) 13:11
 パジャマのえりぐりが伸びた。びろんびろんに、伸びた。昨秋つくった綿ニットのパジャマだ。
 完成時から、えりぐりの開きが気にはなっていた。その後、洗濯するたびに伸びていき、いまもまだ伸びつづけている。こんなに伸びしろのある子だとは思わなかった。

 このパジャマ、完成するまでいろいろ苦労があった。
 1匹のとらねことの出会いがなければ、完成にこぎつけるのは難しかったかもしれない。


 店でこのニット地をみつけたときには、3色のちいさいハート柄がならぶかわいい生地だな、くらいの認識しかなかった。ところが家に持ちかえって裁断のため広げてみると、3色のハート柄がそれぞれ色ごとにならんで横じまを形成しているのに気づいた。

 うかつだった。
 なんてぼんやりしていたのだろう。
 よりによって、3色の横じまをつかむとは。

 なんの心の準備もできていないまま、急きょ、人生初の柄あわせに挑戦することになった。いずれは挑戦するんだし、その挑戦が前倒しになったからって別にかまわないや、くらいのきもちだった。
 なんとかなるさ。ちょっとくらい柄がずれたって気にしない。
 でもそのときはまだ、横じまの本当のおそろしさをわかっていなかったんだ。


 はさみ片手に横じまと格闘しながら、「布、間にあうかな」と心配した。柄あわせぶんを見込んで買っていなかったからだ。はたして、布は間にあわなかった。柄あわせぶんが足りないという生易しい話ではなく、まるっきり足りなかった。根本から、考え方がまちがっていたらしい。

 とりあえず、残っている布でウエストベルトとすそ布だけでも裁断しておこうとしたそのとき、大変なことに気がついた。


 布の裁ち方をみると、ウエストベルトとすそ布は、タテ地に長辺をあわせる格好で裁つよう指示されてある。本のとおりに裁断すると、ウエストベルトとすそ布が、たてじまになってしまう。
 かと言って、ヨコ地に裁つことはできない。布幅が足りない。
 このままいくと、本体は横じま、ウエストベルトとすそ布だけがたてじまの複雑怪奇なパジャマができあがってしまう。

 ふと、えりはどうなるのだろう、と疑問がわいた。
 えりは横じまとして裁断できたけれども、縫いつけると曲線になるから・・・・もしかして、横じまでもたてじまでもなく、ななめ柄として入ってこない・・・?
 
 と、いうことは・・・・・・




完成予想図
(こうなる↑↑と、いうこと・・・・?)



 知らないうちに、のっぴきならない状況に追い込まれていた。
 
 
 別布(無地)をつかえばいいじゃない、とあなたは言うかもしれない。
 ウエストベルトもすそ布も、ついでにえりとカフスも無地にしちゃえば何も問題はない、と。 
 わたしもそれは考えた。それで店にふたたび足を運んでみた。けれども3色のハート柄と色的にあう生地が見つけられなかった。


 静岡県産、深蒸し緑茶をすすりながら、方策を練ってみた。


 そうだ、ちょっとかっこ悪いけど、すそを下パンツの中にいれて着ちゃえばよいのでは?
 そうすれば、すそのたてじまを隠せるし。

 いやいや、するとウエストベルトのたてじまが表に出ちゃう。
 ここはやっぱり、すそ布を外に出してウエストベルトのたてじまを隠すことにしようよ。

 いやいやいや!そうするとすそのたてじまが表に出て・・・・(以下、エンドレス)

 涙ぐましいたてじま隠しにはげんでいる間も、えりのななめじまは微動だにしない。


 生地は裁断してしまったから、他にもうどう活用することもできない。ということは、4メートルだか5メートル買ったこの布、全部パァってこと?!

 ほんとうにちょっと、涙がでてきた。


 

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まとめ
 
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