2009.04.30(Thu)
11:11
晴天に恵まれたゴールデンウィーク真っ只中、皆様、いかがお過ごし?
「お久しぶりね♪本家しまねこですわ」(ミュウたん、寄りすぎ・・・・・・)
今日は、部屋にこもって泣きじゃくっている人間しまねこに代わって、このわたくしが、数年前目撃した桜にまつわる不思議な話をしに出て参りましたのよ。
よろしくて??
(張り切ってたくさんDVDを借りたのに・・・・・突如、プレーヤーが壊れました・涙)
あれは何年前のことだったかしら。
うららかな春の日の昼下がり、いつものように、いなば社の缶詰をさっさと開けるようしもべに言いつけておりますと、ふと目をやった台所の窓から裏の畑が見えて、そうして・・・・
「わたくし、見たのですわ」
「見たんですの」(ミュウたん、怖いから・・・)
作業服を着た見知らぬメンズ3名が、畑の真ん中にレインボーシートを広げて和気あいあいとお弁当を食べているのを。
すぐにしもべの者を呼びつけて、あそこで勝手にお弁当を食べている3名は何者かと尋ねましたけれど、しもべ達は誰も知らないと申すのですわ。
(夕日に染まる葉桜)
途方に暮れて台所の窓辺に香箱座りしたわたくしの存在に気付いているのかいないのか、メンズ3名は終始なごやかにお弁当を楽しんでいる様子でしたの。
彼らの視線の先には、通りを挟んだお向かいに咲く満開の桜の花がありました。
バズーカみたいな巨大な魔法瓶のお茶を回し飲みしながら、メンズ3名はのんびりお花見ランチを楽しんでおりましたわ。
どこか近くの現場で働いている職人さん達のようにも見受けられました。
「ふうむ・・・・」
この辺で一応、わたくしのお城についてざっと説明しておいた方がよろしいわね。
わたくしのお城は、なにも果てしなく広がる荒野にむき出しで建っている訳ではございませんのよ。
平凡な住宅街の一角に、他のお城と同じようなブロック塀でささやかな敷地を囲って建っておりますの。
一応、裏門らしきものもついておりますわ。
ですから、かの3名のメンズは、これらのブロック塀を乗り越えるか、さもなくば門を開けるかして・・・・つまりは何がしかの能動的な手段に訴えて、この城内に侵入して来たことになるのですわ。
お花見ランチの目的で。
見守るわたくしの前で、やがてメンズはお弁当を食べ終わって食後の一服タイムに突入いたしました。
わたくしは待ちましたわ。
メンズが巨大な魔法瓶の中のお茶をすっかり飲み終えてしまうのを待ちました。
その指に挟んだ煙草を吸い終わるのを待ちました。
「さようなら、ごきげんよう♪午後のお仕事がんばって下さいね・・・」そう言って見送るつもりで待ちました。
ところが最後の煙草を吸い終えたメンズは、それから申し合わせたように上着を脱ぐと、器用な手つきでクルクルとそれを丸めて、丸めた上着を枕に昼寝の体勢に入ったんですのよ。
「話しているわたくしもなんだか眠くなって参りましたわ・・・・・ちょっと失礼して、横にならせていただきますわね」
・・・・・・結局わたくしたちは、昼寝中のメンズのことは放っておくことにいたしました。
(他にどうすれば良かったかしら??)
わたくしが一眠りして目を覚ますと、メンズの姿はもう畑から消えておりました。
レインボーシートも巨大な魔法瓶も全て跡形もなく消え去って、あとはただお向かいの満開の桜の花だけがひっそりと風に揺れていたのですわ。
「でも煙草の吸殻は残っていたようですわ♪」
毎年桜の咲く頃になると、わたくし、あの3名のメンズのことを思い出しますの。
彼らがなぜ、わたくし達のお城をランチ・スポットに選んだのか・・・・・もっと言えば、どうしてお向かいの桜の木の下で直接お花見ランチをしなかったのか・・・・・全てが深い謎に包まれていたんですの。
でも最近になってやっと、その答えを見つけたように思いますのよ。
あれはおそらく・・・・・職人さんの姿に形を変えた、うちの畑に棲む妖精じゃないかと思いますの。
位置関係からして、たぶん里芋の精ですわ。
里芋の精たちは、一度人間のやるお花見というものをやってみたくて、見よう見真似でレインボーシートや魔法瓶をそろえ、お弁当を準備し、周到な計画を立てて念願のお花見ランチを実行したのでしょう。
職人さんに化けた理由はおそらく、職人さんのお弁当がOLさん達のそれより大きいからですわ。
そういう訳でわたくし、今年も里芋の精がお花見に現れないかと内心ひそかに期待しながら・・・・・・けれども本当に現れたら困るわと思って・・・・・・相反する2つのしましまな思いを抱えながら、桜を眺めておりましたのよ。
読んで下さってありがとうございます。
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「お久しぶりね♪本家しまねこですわ」(ミュウたん、寄りすぎ・・・・・・)
今日は、部屋にこもって泣きじゃくっている人間しまねこに代わって、このわたくしが、数年前目撃した桜にまつわる不思議な話をしに出て参りましたのよ。
よろしくて??
(張り切ってたくさんDVDを借りたのに・・・・・突如、プレーヤーが壊れました・涙)
あれは何年前のことだったかしら。
うららかな春の日の昼下がり、いつものように、いなば社の缶詰をさっさと開けるようしもべに言いつけておりますと、ふと目をやった台所の窓から裏の畑が見えて、そうして・・・・
「わたくし、見たのですわ」
「見たんですの」(ミュウたん、怖いから・・・)
作業服を着た見知らぬメンズ3名が、畑の真ん中にレインボーシートを広げて和気あいあいとお弁当を食べているのを。
すぐにしもべの者を呼びつけて、あそこで勝手にお弁当を食べている3名は何者かと尋ねましたけれど、しもべ達は誰も知らないと申すのですわ。
(夕日に染まる葉桜)
途方に暮れて台所の窓辺に香箱座りしたわたくしの存在に気付いているのかいないのか、メンズ3名は終始なごやかにお弁当を楽しんでいる様子でしたの。
彼らの視線の先には、通りを挟んだお向かいに咲く満開の桜の花がありました。
バズーカみたいな巨大な魔法瓶のお茶を回し飲みしながら、メンズ3名はのんびりお花見ランチを楽しんでおりましたわ。
どこか近くの現場で働いている職人さん達のようにも見受けられました。
「ふうむ・・・・」
この辺で一応、わたくしのお城についてざっと説明しておいた方がよろしいわね。
わたくしのお城は、なにも果てしなく広がる荒野にむき出しで建っている訳ではございませんのよ。
平凡な住宅街の一角に、他のお城と同じようなブロック塀でささやかな敷地を囲って建っておりますの。
一応、裏門らしきものもついておりますわ。
ですから、かの3名のメンズは、これらのブロック塀を乗り越えるか、さもなくば門を開けるかして・・・・つまりは何がしかの能動的な手段に訴えて、この城内に侵入して来たことになるのですわ。
お花見ランチの目的で。
見守るわたくしの前で、やがてメンズはお弁当を食べ終わって食後の一服タイムに突入いたしました。
わたくしは待ちましたわ。
メンズが巨大な魔法瓶の中のお茶をすっかり飲み終えてしまうのを待ちました。
その指に挟んだ煙草を吸い終わるのを待ちました。
「さようなら、ごきげんよう♪午後のお仕事がんばって下さいね・・・」そう言って見送るつもりで待ちました。
ところが最後の煙草を吸い終えたメンズは、それから申し合わせたように上着を脱ぐと、器用な手つきでクルクルとそれを丸めて、丸めた上着を枕に昼寝の体勢に入ったんですのよ。
「話しているわたくしもなんだか眠くなって参りましたわ・・・・・ちょっと失礼して、横にならせていただきますわね」
・・・・・・結局わたくしたちは、昼寝中のメンズのことは放っておくことにいたしました。
(他にどうすれば良かったかしら??)
わたくしが一眠りして目を覚ますと、メンズの姿はもう畑から消えておりました。
レインボーシートも巨大な魔法瓶も全て跡形もなく消え去って、あとはただお向かいの満開の桜の花だけがひっそりと風に揺れていたのですわ。
「でも煙草の吸殻は残っていたようですわ♪」
毎年桜の咲く頃になると、わたくし、あの3名のメンズのことを思い出しますの。
彼らがなぜ、わたくし達のお城をランチ・スポットに選んだのか・・・・・もっと言えば、どうしてお向かいの桜の木の下で直接お花見ランチをしなかったのか・・・・・全てが深い謎に包まれていたんですの。
でも最近になってやっと、その答えを見つけたように思いますのよ。
あれはおそらく・・・・・職人さんの姿に形を変えた、うちの畑に棲む妖精じゃないかと思いますの。
位置関係からして、たぶん里芋の精ですわ。
里芋の精たちは、一度人間のやるお花見というものをやってみたくて、見よう見真似でレインボーシートや魔法瓶をそろえ、お弁当を準備し、周到な計画を立てて念願のお花見ランチを実行したのでしょう。
職人さんに化けた理由はおそらく、職人さんのお弁当がOLさん達のそれより大きいからですわ。
そういう訳でわたくし、今年も里芋の精がお花見に現れないかと内心ひそかに期待しながら・・・・・・けれども本当に現れたら困るわと思って・・・・・・相反する2つのしましまな思いを抱えながら、桜を眺めておりましたのよ。
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